企業価値 社会目標

SDGsで企業価値を高めるメリットと具体的な方法

日本におけるSDGsという言葉の認知度は2021年時点で50%を超えており、ビジネスとSDGsを両立させる企業が注目されています。

今回は、SDGsの概要、企業がSDGsに取り組むメリットや方法、SDGsへの取り組みで企業価値を高める方法についてご紹介いたします。

SDGs(持続可能な開発目標)とは?

SDGs(持続可能な開発目標)とは、貧困や不平等・格差、気候変動による影響などの世界の様々な問題を根本的に解決し、すべての人たちにとってより良い世界をつくるために設定された世界共通の17の目標です。SDGsにより先進国と発展途上国の壁をなくし、2030年までの目標達成を目指します。

SDGsで掲げられた「17の目標」

SDGs「17の目標」は、地球規模の課題解決やより良い世界を目指すための、すべての国や組織、企業に向けた目標となっています。「17の目標」は以下の通りです。

17の目標概要
1貧困をなくそうあらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
2飢餓をゼロに飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
3すべての人に健康と福祉をあらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
4質の高い教育をみんなにすべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5ジェンダー平等を実現しようジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
6安全な水とトイレを世界中にすべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
7エネルギーをみんなに そしてクリーンにすべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する
8働きがいも経済成長もすべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
9産業と技術革新の基盤をつくろう強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
10人や国の不平等をなくそう国内および国家間の格差を是正する
11住み続けられるまちづくりを都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
12つくる責任 つかう責任持続可能な消費と生産のパターンを確保する
13気候変動に具体的な対策を気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
14海の豊かさを守ろう海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
15陸の豊かさも守ろう陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
16平和と公正をすべての人に持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
17パートナーシップで目標を達成しよう持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

これらの目標を達成するために、日本の多くの企業でCO2排出量の削減や雇用形態の見直し、環境に配慮した取り組みなどが積極的に実施されています。

なぜ企業はSDGsに取り組むべき?企業へのメリット4つ

企業がSDGsに取り組むメリットは以下の通りです。

1:企業のブランドイメージ向上、企業価値の向上が期待できる

企業がSDGsに取り組む最大のメリットは、企業のブランドイメージや企業価値が高められることです。

画像引用元:電通

2021年4月に電通により実施されたSDGsに関する生活者調査によると、「SDGs活動を知るとその企業のイメージが良くなる」と答えた人は55%以上となっています。

社会的にSDGsに対する関心が高まっている現在、SDGsに取り組んでいる企業は、消費者や取引先などからの信頼獲得やブランドイメージUPが図れるため、競合との差別化が期待できます。

一方、環境や社会への影響を考慮せず「自社だけ儲かれば良い」という姿勢で事業を続けていくと、企業への評価が下がる可能性があります。

SDGsによって企業価値を高めることで競合と差別化ができ、自社製品やサービスの売上げUPや、優秀な人材を惹きつける採用ブランディング、従業員のモチベーションアップなどが期待できます。

2:新しいビジネスチャンスや取引先の獲得が期待できる

日本の中小企業の多くは、SDGs=社会貢献として捉えており、積極的なビジネスチャンスとして捉えていないと言われていますが、SDGsの観点から自社製品を見直すことで新たなビジネスチャンスに気付くきっかけになります。

また、SDGsの取り組みを実施していく中で、これまで接点が無かった企業や行政と共に新たな企画を打ち出すなど、新たな取引先獲得の機会も生まれてくるかもしれません。

SDGsは世界規模の取り組みとなっており、その市場規模は1000兆円以上と言われているため、大きなビジネスチャンスがあると言えます。

3:自社製品やサービスの売上UPが期待できる

CO2削減や再生資源の活用などのSDGsの取り組みを積極的に訴求することで競合との差別化ができ、自社製品やサービスの売上UPが期待できます。

2021年に博報堂が実施した生活者のサステナブル購買行動調査によると、環境や社会、生産者に配慮した商品への潜在ニーズが見られるとの調査報告がされています。

また、電通により実施されたSDGsに関する生活者調査によると「コロナ禍を経てSDGsへの関心が高まった」という人は全体の32.4%を占めており、この層はSDGsに関する商品・サービスの利用意向も高い傾向があることが分かりました。

今後、積極的にSDGsの取り組みを実施し消費者に訴求することで、自社製品やサービスの売上向上が期待できます。

4:従業員のモチベーションUPや優秀な人材の獲得が期待できる

社員一丸となってSDGsに取り組むことで、社会に貢献している意識が強くなりモチベーションを高める効果が期待できます。

画像引用元:電通

電通により実施されたSDGsに関する生活者調査によると、「積極的にSDGsに取り組む企業が今後どのようになっていくか?」という質問に対し「企業がSDGsに取り組むことで今後、会社への愛着が湧く」と答えた就業者は45.6%となっています。

また、同質問において「優秀な人材の確保が期待できる」と答えた就業者は45%となっており、既存従業員のモチベーションUPだけでなく優秀な人材の確保も期待できることが分かります。

SDGsの目標の中には雇用や就業形態の見直しも含まれるため、SDGsに取り組むことにより従業員の満足度を高めることができると言えます。

企業がSDGsに取り組む方法

企業がSDGsに取り組むためにはどのような方法があるのでしょうか?いくつかご紹介いたします。

  • CO2フリープラン電力への切り替え
  • LED照明への切り替え
  • 省エネ機器の導入
  • 空調設備の使用頻度や設定温度の見直し
  • 再生資源の利用
  • ペーパーレス化
  • ゴミの分別の徹底
  • 地元資源の活用
  • 環境プロジェクトへの参加
  • 雇用形態の見直しや働きやすい環境づくり
  • 年齢やジェンダーに捉われない雇用促進 など。

上記は一例ですが、企業の事業規模の大小に関わらず実施しやすいSDGsの取り組みは、「環境」や「雇用」などの分野が挙げられます。

特に「環境」の分野は、CO2排出量や電力使用量を削減することで電気代のコストカットにつながるため、企業にとってもメリットが大きい施策になります。

SDGsで企業価値を高めるための方法

企業価値を高めるメリットやSDGsの取り組みについてご紹介しましたが、実際にSDGsを通して企業価値を高めるにはどうしたら良いのでしょうか?いくつか方法をご紹介いたします。

1:SDGsの取り組みを数値化しましょう

企業価値を高めるためには、必ず数値化したデータを用意しましょう。数値として見ることで誰にとっても分かりやすい情報となり、評価されやすくなります。

例えば、SDGsの取り組みにはCO2削減施策として省エネなどが挙げられます。この場合、省エネ効果のある設備の導入や、新電力への切り替えが必要となります。

設備導入前の電力使用量と導入後の電力使用量をそれぞれ測っておくことで、具体的にどのくらい使用量を削減できたのか?どのくらい節電効果があったのか?などの省エネ効果を数値化することができます。

SDGsの取り組みのビフォー・アフターを誰が見ても分かるよう数値化することで、公式サイトやSNSで公表しやすくなり、企業価値を高めることができます。

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2:自社WebサイトやSNSで発信しましょう

SDGsの取り組みにどれだけ貢献できているのか?数値化したデータや実際に取り組んでいる施策などを自社Webサイトや公式SNSで発信しましょう。

企業が積極的に発信していくことで、SDGsへの意識が高い企業であることを消費者や取引先などに訴求できるため、競合との差別化になります。

画像引用元:ダスキントヨタPwC Japanグループ

上画像は、WebサイトでのSDGs発信事例です。自社の公式サイトにSDGsへの意識や目標、自社での取り組みなどを掲載することにより意識が高い企業であることをアピールできます。

3:第三者的なSDGsメディアでの発信

SDGsへの関心が高まっている現在、SDGsに取り組む企業に向けたお役立ち情報や企業の取り組みについて掲載するPR・メディアサイトが多く存在します。

こういった第三者的な外部サイトに自社の取り組みを掲載することにより、企業への信頼度を高めることが可能です。

この場合、企業がメディアへの掲載費用を支払いメディアに宣伝してもらう形になりますが、自社実績として紹介できるため新規客獲得や新規取引先などとの商談に役立ちます。

「自社のWebサイトで掲載しているが、企業価値を高められているか分からない」という方は、PR・メディアサイトにて自社の取り組みを発信すると良いでしょう。

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まとめ

今回は、SDGsの概要、企業がSDGsに取り組むメリットや方法、SDGsへの取り組みで企業価値を高める方法についてご紹介しました。

世界の共通目標であるSDGsは企業価値を向上させる最適な取り組みであり、今後はSDGsの取り組みを実施していない企業は消費者や業界内で優位性を失う可能性があります。

SDGsによって企業価値を高めるためには、自社の取り組みを積極的に発信していくことが重要です。

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